ウィリアム・スカル?カネロ・アルバレスの次の対戦相手として正式に発表されたとき、多くのファンが口をそろえて言った――「誰それ?」
スカル(23勝0敗、9KO)は常に表舞台の外にいた。それは望んでいたからではなく、そうするしかなかったからだ。チャンスが巡ってきたのは30代に入ってからだったが、訪れたその機会を彼はしっかりとものにした。
2024年、スカルはアルバレスにとってのIBF指名挑戦者の座を勝ち取った。しかし、カネロはその王座を防衛する代わりに、あっさりとベルトを返上する道を選んだ。そのときスカルはまったく気にしなかった。IBFもすぐに気持ちを切り替え、空位となった王座を懸けてスカルをウラジミール・シシキンと対戦させることにした。
それでも、スカルが勝利と王座を手にしたとはいえ、多くのファンはいまだに彼のことをよく知らない。一方でアルバレスは、密かに彼を注視してきた。キャリア全試合を観ているわけではないが、十分な映像を見て、スカルが非常に危険な相手であることは理解している。
「彼は“キューバ・スクール”のスタイルを持っている」とアルバレスはFightHype.comに語った。「とてもやっかいだ。リングの使い方を知っているし、ジャブも非常にうまい。持っているものがあるよ」
5月3日、アルバレスとスカルはサウジアラビア・リヤドで行われるDAZNのPPVメインイベントで激突する。この一戦に対するアルバレスの意気込みは非常に高いが、ファンの多くは無関心だ。デビッド・ベナビデス、ドミトリー・ビボル、クリスチャン・ムビリ、さらにはディエゴ・パチェコとの対戦のほうが、より魅力的に映っている。
ある意味では、ファンの見方も一理ある。前述の名前の中には、若くしてハングリー精神にあふれた選手もいれば、すでに実績を積んだ危険なベテランもいる。一部の人々の目には、スカルにはそうした魅力が一切ないように映っている。
とはいえ、スカルにはアルバレスが欲しがるものがある。
「彼は世界王者だ。そして俺は再び王座統一を果たしたい、2度目の4団体統一王者になりたいんだ」