物議を醸した初対決から1年後、ギャビン・グウィンとキャメロン・ヴォングは、英バーミンガムで再び10ラウンドにわたる激闘を繰り広げた。しかし今回は、ジャッジが両者を引き離すことはできなかった。

物議を醸した初対決から1年後、ギャビン・グウィンとキャメロン・ヴォングは、英バーミンガムで再び10ラウンドにわたる激闘を繰り広げた。しかし今回は、3人のジャッジが両者に優劣をつけることができなかった。

最初の対戦が行われた2024年11月30日、ヴォングは僅差の判定で勝利を収め、試合後、怒り心頭のグウィンは「強盗だ」と叫び、年下の相手を支配したと自負していた。

そして迎えた再戦でも、飽くなき前進を続けるグウィンの姿勢は変わらなかったが、今回もまた勝利はジャッジによって阻まれる形となった。2人のジャッジが95－95と採点し、バーミンガムのナショナル・エキシビション・センターで行われたこの一戦は多数引き分けとなった。

残る1人のジャッジ、ゲルゴ・コヴァチは、意外にも97－93でヴォング支持の採点を下した。これにより、2試合合計20ラウンドを戦いながら、グウィンは一度もジャッジの目に「勝者」と映る試合を得ていないことになる。

結果発表後、失望を隠しきれないグウィンは次のように語った。 「もちろん自分が勝ったと思っている。接戦だったが、頭の中では自分が僅差で取ったと思っていた。」

「前回の方がもう少しはっきり勝てたと思うが、今回はさらに接近していた。今夜は少し賢くボクシングができたし、ジャブも機能していた。あれは素晴らしかった。」

一方、グウィンとの初戦後に2勝を挙げているヴォング（9勝0敗1分、4KO）は、次のように振り返った。 「良い立ち上がりができたと思う。最初の4ラウンドを取って、その後は踏ん張って最後の2ラウンドも取ったつもりだ。」

実際、ヴォングはキャリアで最も厳しい試合を強いられた相手に対し、今回も有望な立ち上がりを見せた。この再戦は、多くの予想通りの展開となり、血気盛んなグウィンが前進し続け、ヴォングがそれをいなす“闘牛士”のような構図が早々に形作られた。

ヴォングは序盤からリズムを掴み、猛進するグウィンを相手に主導権を維持。結果として最初の3ラウンドを連取したが、グウィンは決して意気消沈した様子を見せなかった。

採点で後れを取っていたにもかかわらず、ウェールズ出身のグウィンは、接近戦で放つ左フックで序盤から手応えを掴んでおり、5ラウンドには連打を次々とヒットさせ、試合を一気に加速させた。

それでもヴォングは、特にカウンターを軸に冷静なボクシングを続けた。その正確性は数字にも表れており、試合の折り返し地点では、グウィンがほぼ2倍のパンチを放っていたにもかかわらず、両者のヒット数はほぼ同数であった。

初戦では、グウィンがラウンドを重ねるごとに勢いを増し、踏み込んでヴォングの体力を奪っていったが、今回も似た展開となった。7、8ラウンドでは、グウィンがヴォングをロープ際へ押し込み、大量のパンチを浴びせ、明確に手数で上回った。

35歳のグウィンは、ヴォングのパワーをまったく恐れていないかのように見え、自らの標的にたどり着くためならどんな一撃もかいくぐる覚悟で前進した。8ラウンド終了間際には一層攻勢を強め、頭部からボディへ、そして再び頭部へと攻撃を切り替えながらヴォングを追い回した。この試合で初めて、ブライス出身23歳のヴォングは小さな危機に直面した。

ベン・デイヴィソン陣営の一員であるリー・ワイリーからは、前進してくるグウィンに対し右アッパーを放つよう叱咤され、ヴォングは9ラウンドでそれを実行した。このラウンドではもはやロープ際へ追い込まれることを許さなかった。過酷な8ラウンドを経た後としては、まさに必要とされていた反撃であった。

10ラウンド目、最終回を迎えた時点でも、勝敗は依然としてどちらに転んでもおかしくない状況であった。グウィンはすぐさま頭を下げて再び圧力を強めたが、より印象的なショットを放ったのはヴォングであり、再びアッパーが的確にヒットした。

採点表の集計には時間を要し、両者は苦痛とも言える待ち時間の中で立ち尽くすことを余儀なくされた。さらに司会者のマイクが作動しないというトラブルも重なり、発表は一層遅れた。しかし最終的に告げられたのは、どちらも望んでいなかった引き分けという結果であった。

この日のアンダーカードでは、無敗の24歳、イブラヒーム・スライマーン（10勝0敗、5KO）が頭角を現しつつあるバーミンガム屈指の有望株としての評価をさらに高めた。空位となっていたミッドランズ・エリア・スーパーフェザー級タイトル戦10ラウンドで、ニコ・オグベイデを6ラウンドにストップしている。

また、ライト級ではゼルファ・バレットがリアム・ディロンを相手に8ラウンドの判定勝ちを収めた。さらに、元総合格闘家の“ミートボール”ことモリー・マッキャンは、ボクサーとしての2勝目を挙げ、6ラウンド戦でエボニー・コットンに判定勝利を収めている。