カラム・シンプソンは、ロンドンのウェンブリー・アリーナで行われたアダム・アジーム対セルゲイ・リピネッツのアンダーカードにて、エルビス・アホルガをノックアウトし、3週間で2勝目を挙げた。
シンプソン(17勝0敗、12KO)は、1月11日に自身が主役を務めたボクサー興行でスティード・ウッドール(19勝3敗1分、12KO)と対戦し、シェフィールドでの試合を第2ラウンドTKOで片付けていた。
今夜のアホルガ(13勝3敗、12KO)との一戦は、ここまで険悪な前哨戦になるはずではなかったが、ガーナ出身のアホルガは試合週に可能な限りの挑発を繰り返し、バンズリー出身のシンプソンを壮絶にノックアウトすると豪語していた。
アホルガはその言葉通り、第1ラウンドから猛烈に飛び出し、人間チェーンソーのような勢いで襲いかかってきた。他人の頭を獲りに行くことに取り憑かれたかのように、大振りのパンチを振るって試合の流れをかき乱した。
シンプソンはその猛攻に耐え、第2、第3ラウンドには自らも強烈なフックを次々に決めてアホルガに応戦した。しかしアホルガは手を緩めず、さらにはリングサイドにいた元2階級世界ウェルター級王者ショーン・ポーターに向かって声を上げる余裕すら見せた。
しかし第5ラウンド、シンプソンは強烈なコンビネーションを叩き込み、アホルガをぐらつかせた。アホルガの頭は大きく左右に揺れ、その衝撃は明らかだった。反撃を試みるアホルガに対し、シンプソンは巨大な右ストレートを叩き込んだ。
両者が組み合うと、レフェリーがそれを分けた。そして再び対峙した瞬間、シンプソンは勝負を決めにかかった。右ストレートから左フックのコンビネーションが炸裂し、アホルガは顔面からキャンバスに崩れ落ちた。
アホルガは立ち上がったものの、テンカウントぎりぎりであり、レフェリーのハワード・フォスターは試合を止め、シンプソンに第5ラウンドTKO勝利を宣告した。
スコット・フォレスト、アウレル・イグナトに初回TKOで衝撃の敗北
3週間前、カラム・シンプソン対スティード・ウッドールのアンダーカードに出場し、第2ラウンドTKO勝利を収めたスコット・フォレストにとって、今回は戦績をさらに伸ばす絶好のチャンスだった。
しかし、非常に意欲的なアウレル・イグナト(9勝0敗、8KO)を相手に、フォレスト(7勝1敗、4KO)は悪夢のような展開に見舞われ、初回TKOで敗北を喫した。
試合は当初フォレストのペースで進み、第1ラウンド前半には効果的なパンチを幾度か決めていたが、流れは突如として一変した。
モルドバ出身のイグナトが強烈な右ストレートを打ち込み、フォレストの足をぐらつかせると、続けざまに左フックを叩き込み、フォレストをコーナーに追い込んだ。
その後の連打が止めとなり、試合前まで無敗だったイグナトは、ピーコック・ジムのマーティン・バウワーズの指導を受けるアンダードッグとして、ウェンブリーの観客を驚かせる初回TKO勝利を収めた。
プロモーターのベン・シャロームは「クルーザー級に素晴らしい新戦力が加わった。非常にパワフルで見事なストップ勝ちだった。両選手ともまた戻ってくるだろう」と語った。