無敗のブルーノ・スラースは、サウジアラビア・リヤドの「ザ・ヴェニュー・リヤド・シーズン」で開催されるカネロ・アルバレス対ウィリアム・スカル戦のセミファイナルとして、ハイメ・ムンギアとの再戦に臨む。
スーパーミドル級で『ザ・リング・マガジン』ランキング7位に位置するスラースにとって、この壮大な舞台で戦うチャンスは特別な意味を持つ。
「カネロのイベントでセミファイナルとして戦えるなんて、信じられないほど素晴らしい機会だ」とスラース(26勝0敗2分、5KO)は『The Ring』誌に語った。「名だたるファイターたちの中に自分の名前が並んでいるのを見るのは本当に光栄だし、メインイベントの直前にリングに上がるのはとても興奮するよ。
この再戦にはすごくモチベーションがある。再びムンギアと対戦できるのが楽しみだ。彼はチャンピオンで、素晴らしいファイターだ。こういう経験が自分を成長させてくれる。俺はもう昨日までの自分じゃない。彼がリベンジを狙ってくるのは分かっているし、2人でファンに素晴らしい試合を見せたいと思っている」
初戦は昨年12月に行われ、スラースは劣勢に立たされていたが、突如として強烈な一撃を炸裂させてメキシコ人のムンギアをマットに沈め、地元ファンに衝撃を与えた。この勝利はその後、『ザ・リング・マガジン』の「年間最大の番狂わせ(Upset of The Year)」に選ばれた。
「試合中、一度も自分を疑ったことはなかった」とスラースは語った。「試合は10ラウンドある。このレベルでは、一瞬で流れが変わることもある――すべては細かなディテール次第だ。数ラウンド前からその隙を見ていて、狙っていたのが分かると思う。
そして6ラウンド目、それがついに当たった――あれが“ブルネッロ”が世界に知られた瞬間さ。自分を信じ続けたフランス人の物語を、これからも書き続けるつもりだ」
この勝利により、スラースは『ザ・リング・マガジン』のランキング入りを果たしただけでなく、それまで得られなかった大きな注目を集めることとなった。
「多くの人にとって、あの試合が俺を見るのは初めてだった」とスラースは振り返る。「たくさんの愛情と温かい言葉をもらって、本当に感動したよ」
「一番難しいのは、浮かれずに地に足をつけたまま、すぐに次の準備に戻ることだった。再戦はすぐにやって来るからね。このレベルにとどまりたいし、ここでさらに成長していきたい」
そのためにも、初戦の勝利がまぐれではないことを証明する決意は固い。
「自分に自信があるのは、彼の試合運びに弱点を見たからだ。試合が進むにつれて、グローブの中でどんどん感覚が良くなって、自分のリズムをつかめた」とスラースは説明する。「イベントの規模と相手の実力の両方を考慮して、しっかり準備してきた。
この試合には、大きな自信と決意を持って臨むつもりだ」
一方、ムンギア(44勝2敗、35KO)は、『ザ・リング・マガジン』のスーパーミドル級ランキングで8位にランクされている。彼は無名の存在から突如現れ、サダム・アリを4ラウンドTKOで粉砕してWBO世界スーパーウェルター級王座を獲得。リアム・スミスに判定勝ちを収めるなど、5度の防衛に成功した。その後、階級をミドル級へ上げ、ゲイリー・オサリバン(11回TKO)、カミル・シェレメタ(6回終了TKO)、ガブリエル・ロサド(12回判定)といった経験豊富な相手に勝利し、さらに実績を積み重ねてきた。
28歳のムンギアは、WBC王者ジャーマル・チャーロとの対戦に向けた交渉を行っていたが、結局は不調に終わり、実現には至らなかった。減量の問題もあり階級を上げ、名勝負と評されたセルゲイ・デレビヤンチェンコ戦では僅差の判定勝ち(12回判定)を収めた。その後、ジョン・ライダーを9回TKOで下し、無敗の記録を保持していたが、リング誌および4団体統一王者カネロ・アルバレスに12回判定で敗れ、キャリア初黒星を喫した。
その後、エリク・バジニャンを10回KOで破り再起を果たしたものの、続く試合でブルーノ・スラースに6回KO負けを喫し、まさかの失速となった。
『Fatal Fury: City of the Wolves』は、DAZNにて米国東部時間午後7時/太平洋時間午後3時/英国時間午前0時より配信される予定。
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