【ニューヨーク】— “シュ・シュ”ことブルース・キャリントンが土曜夜、キャリア初の世界タイトルを獲得した。
ブルックリン出身のキャリントン(16勝0敗、9KO)は、マディソン・スクエア・ガーデン・シアターで行われたWBCフェザー級暫定王座決定戦で、ナミビアのマテウス・ヘイタ(14勝1敗、9KO)を相手に、冷静かつ的確なボクシングを披露。効果的にカウンターを返し、相手のパンチを的確に防ぎながら、12ラウンドを通じて試合を支配した。
ジャッジのスティーブ・ワイスフェルドは120-108とフルマークをキャリントンに与え、トム・カルソンとマーク・コンセントリーノはともに119-109と採点し、3者ともキャリントンの大差勝ちを支持した。
試合はザンダー・ザヤス vs. ホルヘ・ガルシアによるWBOジュニアミドル級王座決定戦のセミファイナルとしてESPNで中継された。キャリントンとヘイタの試合は戦術的な展開となり、どちらも被弾によるダメージは見られなかったが、ヘイタは時折プレッシャーをかけてキャリントンに警戒を促した。
試合後、キャリントン(27歳)はリング上でESPNのベルナルド・オスナに対しこう語った。
「12ラウンド戦えるところを見せたかった。それがチャンピオンレベルだと思っている。今日はコンディションも良かったし、キレもあった。次のレベルに進む準備はできている。」
この勝利により、キャリントンはWBCフェザー級王座への挑戦権を確固たるものにした。現在その王座を保持しているのはスティーブン・フルトン(23勝1敗、8KO)だが、彼は次戦でWBCスーパーフェザー級王者オシャキー・フォスター(23勝3敗、12KO)への挑戦が見込まれている。
WBCは、フルトンがフォスター戦後にフェザー級王座を保持するかどうかを判断するとしており、仮に返上されれば、キャリントンが正規王者に昇格することになる。
とはいえキャリントンは、リングサイドで観戦していたWBOフェザー級王者ラファエル・エスピノサ(27勝0敗、23KO)に対して挑戦を表明した。
一方、同じく27歳のヘイタにとっては、キャリントン戦が大きなステップアップとなった。アメリカでの初戦であり、自国以外で戦うのはこれが2度目だった。
試合では終盤の11・12ラウンドもキャリントンが主導権を握り続け、判定勝利へと着実に向かっていった。
・第10ラウンドでは、互いに右を内側でヒット
・第9ラウンドでは、キャリントンのジャブがヘイタの頭をはじき返す
・第8ラウンド終盤、コーナーに誘い込んだキャリントンが左フックを命中させヘイタを後退させる
・第7ラウンドではスピードと精度が光り、何度もクリーンヒットを奪う。ヘイタも反撃の姿勢を崩さず、プレッシャーをかけ続けた
・第6ラウンド中盤には、左ボディでヘイタの動きを止め、終了間際には左フックを頭部にヒット
・第5ラウンドでは、左フックでヘイタのバランスを崩す場面も
・第4ラウンドでは、互いに右を交換し合い、互角の打ち合いを演じる
・第3ラウンド終盤には、キャリントンがロープ際で右をボディに集中
・第2ラウンドでは、ヘイタがロープ際で右をヒットさせ、アッパーも決めたが、キャリントンはすぐにカウンターを返し、上手くかわす
・第1ラウンドでは、ヘイタが右を当ててキャリントンの体勢を崩したが、キャリントンもすぐに右で反撃した
キャリントンは冷静な試合運びで自身の完成度を証明し、次なるステージへの足がかりをしっかりと築いた。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級記者兼コラムニストである。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。