ブライアン・ノーマン・ジュニアには、いくつかの疑問符がついていた。時には華麗なパフォーマンスを見せるものの、リング上で精彩を欠き、期待外れの試合をすることも少なくなかった。さらに最近は手の負傷によって緊急手術を受けたこともあり、次戦でどんな姿を見せるのか不安視する声もあった。
しかし、デリック・クエバスとの試合では、彼はこれまで以上に危険な存在だった。
開始からほとんど時間がかからず、ノーマンは相手を圧倒。猛攻を浴びせ、今週末の試合で3ラウンドTKO勝利を収めた。試合が終わり、勝利者として手を挙げられたノーマンの元にはマイクが次々と向けられた。右から左から、あらゆる角度から質問が飛んだが、その中心にあったのは「次に誰と戦うのか」ということだった。だが、それはノーマンにとって簡単な問いだった。
「次に欲しいのは、どれかのベルトだ」とノーマンは記者団に語った。
WBO王者が夢を叶えたいのであれば、いくつかの名前を乗り越えなければならない。その筆頭がジャロン・エニスだ。『ザ・リング』誌によるウェルター級ランキング1位であり、現在IBF王者でもあるエニスは、同じく世界タイトル統一を目指しているが、ノーマンよりも一歩先を進んでいる。
数週間後、エニスはリングの向こう側にWBA王者エイマンタス・スタニオニスを迎えることになる。ブックメーカーや大方の予想ではエニスが有利とされているが、スタニオニスもそれに見合うだけの実力と実績を持っており、ノーマンもその点は認めている。
4月12日、カレンダーがその日付を指す頃、24歳のノーマンはテレビにかじりついてその一戦を見届ける予定だ。ただし、勝者予想については明言を避けた。彼にとって重要なのは、誰が勝つかではなく、その勝者と拳を交えることなのだ。
「俺はここにいる」とノーマンは続けた。「あいつらが戦い終えたら、俺はすぐそこにいる。ウェルター級に俺はまだいるんだ。俺もベルトを持ってる。さっきの試合見たろ?あいつにやったことを、お前らにも同じようにしてやれるぞ。」