ボブ・アラムの見解では、キーショーン・デービスがもはや有望株という枠を超え、“手のつけられない怪物”へと進化した存在だ。
その言葉がアラムから出たというのは大きい。ボクシング界の殿堂入りプロモーターである彼は、この世界を誰よりも長く見てきて、あらゆるタイプのボクサーを見てきたということだ。
デービスはデビュー当初から信じられないほどの実力を見せてきた。アラムはプロ12戦目にしてタイトルマッチのチャンスを与えるほど、その才能を強く信じている。その一戦は今週末に予定されている。
ライト級は、まさにスター選手がひしめく階級だ。ジャーボンテイ・デービスからシャクール・スティーブンソンに至るまで、135ポンドのファイターたちは非常に高い評価を受けている。しかし、デービス(12勝無敗、8KO)は経験や知名度ではまだトップとは言えないものの、アラムは「たとえ歴代の名王者と戦ったとしても、彼が負けるとは思えない」と考えている。
アラムは「今のライト級であれば、誰と戦ってもキーショーンの方が上だと思っている」と「ザ・リング・マガジン」のインタビューで語り、「ロマチェンコも含めてね」と言い加えた。
The Ringのライト級ランキング2位に位置するデービスは、2024年に入りキレのある動きを見せ、ジョージ・カンボソス・ジュニア戦ではほぼ完璧な内容で勝利を収め、IBF王座を手にした。デービスは、デニス・ベリンチクとのWBO王座戦に勝利すれば、ロマチェンコと同じチャンピオンの舞台で相まみえるチャンスを手にすることになる。
両者ともにチャンピオンとして認められるが、そのキャリアの進路は対照的とも言える方向へと進んでいる。デービスには、間違いなくこの競技でまだ多くの時間が残されている。一方で、ロマチェンコの砂時計は、ほとんど底を尽きかけている。
2023年、デヴィン・ヘイニーとの物議を醸す敗戦の後、ロマチェンコは深い失望と苛立ちを抱えていた。表舞台から姿を消し、引退も真剣に考えていたという。ボクシングから離れるという決断を下しかけていたが、それを引き止めたのは父親だった。
息子の体調が万全になれば、父親がもう一度リングに戻るよう説得する可能性もある。だが、もしロマチェンコがすべてを出し切る覚悟で再起を図ったとしても、アラムにとってはあまり関係のない話かもしれない。年齢と衰えつつあるスキルの両面から見て、アラムはもはやロマチェンコは以前のような選手ではないと確信している。
「もしロマチェンコが復帰したとしても、以前のような偉大さはもう見せられないと思う。それに忘れてはいけないのは、ロマチェンコはライト級としてはもともとサイズ的に十分ではなかったということだ。彼はフェザー級やスーパーフェザー級の方が向いていた。だからこそ、私はキーショーンが現在のライト級の中で最も優れていると思っている。」