ボクシングのライトヘビー級4団体統一王者ビボルは、クロフォードを
カネロ・アルバレスに対する「十分に勝機のあるアンダードッグ」と見ている。ビボルは、クロフォードの独特のスタイル、リングIQ、多様性が、2階級上げて
アルバレスのThe Ring、IBF、WBA、WBC、WBOスーパー・ミドル級タイトルに挑むうえで大きな武器になると考えている。
2022年5月に判定でアルバレスを下したビボルは、クロフォードの精神的タフさも高く評価する。クロフォードの不屈の精神こそが、他の挑戦者たちがアルバレスに過剰なまでに慎重に臨んできたのとは異なる、大きなアドバンテージだとビボルは語る。
「彼は精神的に強く、心の底からこの試合を望んでいる」とビボルは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「それが自信につながっているんだ」
クロフォードの体格は、実際に会ったときにビボルを驚かせた。試合当日になるまで、クロフォードが新しい階級でアルバレスのパワーをどう受け止められるかは分からない。だがビボルは、クロフォード(41勝0敗、31KO)がこの規模の「レガシーを決める試合」に完全に準備できていると確信している。
「パワーに慣れるだけの問題じゃない」とビボルは言う。「精神的に準備ができていないと、人は恐れや不安で弱くなる。体も弱くなるんだ。何か新しいことが起きて、準備できていなければ、体が溶けて柔らかくなるような感覚になるだろう? この試合においてはメンタリティが本当に重要なんだ。たとえ2階級下から上げてきたとしても、精神的に準備ができていればパンチを受けても大丈夫だし、乗り越えられる。クロフォードなら問題ないはずだ」
ロシアのビボル(24勝1敗、12KO)は、ラスベガスのT-Mobileアリーナでアルバレス(63勝2敗2分、39KO)を判定で下した。アルバレスは当時、スーパー・ミドル級168ポンドからライトヘビー級175ポンドに戻して戦い、ビボルのWBAベルトをかけた12回戦で挑んでいた。
ビボルはジャッジのティム・チータム、デイブ・モレッティ、スティーブ・ワイスフェルド全員から115-113のスコアを得て、アルバレスを一致判定で破った。差はもっと広くてもよかったが、アルバレスを倒したのはビボルとフロイド・メイウェザーだけである。アルバレスは19年のプロキャリアで67戦を重ね、その中で敗北を喫したのはわずか2度しかない。
ネブラスカ州オマハ出身の37歳クロフォードがアルバレスを倒せば、3階級での4団体統一王者となる。これは
Netflixが全世界に配信するメインイベントであり、クロフォードにとっては13か月ぶりの試合となる。
一方、35歳のアルバレスはビボル戦以降6連勝中だが、そのすべてがフルラウンドを戦っている。彼が最後にKOを記録したのは、2021年11月にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたカレブ・プラントとのタイトル統一戦(11回TKO)まで遡る。
アルバレスがThe Ringのパウンド・フォー・パウンドランキングで自分より上位に位置する相手と戦うのは、ゲンナジー・ゴロフキンとの再戦以来となる。カザフスタンのゴロフキンは、2017年9月と2018年9月の両試合において、ザ・リングのランキングで1位に位置していた。
『ザ・リング』シニアライター兼コラムニスト、Keith Idec 執筆。X(旧Twitter)@idecboxing でフォロー可能。