ビル・ヘイニーは
リチャードソン・ヒッチンズの大ファンというわけではないが、彼が誤った道に進もうとしていると感じており、その進路を正そうとしている。
ヒッチンズとヘイニー親子の間には、愛情はおろか敬意すら見られない。マイクが向けられれば、互いに代わる代わる相手を非難するのが常だ。ヒッチンズは、ビルの息子である
デヴィン・ヘイニーを激しく嫌っている。元4団体統一王者で2階級制覇を成し遂げたデヴィンは、ヒッチンズが自分に向けられたいと願うような称賛を受けている。一方でヘイニー親子からすれば、ヒッチンズはただの“なりたがり”に過ぎない存在だ。
とはいえ、今はそうした因縁は関係ない。今夜、リチャードソン・ヒッチンズはすべての集中力を
ジョージ・カンボソスに向けることになる。試合に向けたビルドアップ期間中、ヒッチンズ(19勝無敗、7KO)は元統一王者の実力を一貫して軽視してきた。
「小さすぎる」、「大したことない」、「実力不足」
それらは、ヒッチンズがカンボソスを評する際に使ってきた言葉の一部だ。外から見ている限りでは、ビルはヒッチンズがオーストラリア人の実力を本気で受け止めているのかどうか、疑問を抱いている。そして、試合はヒッチンズの地元ニューヨークで行われるが、カンボソスはすでに“敵地”に乗り込み、相手のリングで圧倒する術を知っていることを証明済みだ。
「ここはカンボソスを甘く見ていい場所じゃない」とビル・ヘイニーは FightHype.com に語った。「テオフィモ・ロペスに何をしたか見ただろう」
2021年当時、ロペスはボクシング界で最も注目を集める存在だった。しかし、カンボソスによってその勢いは打ち砕かれ、頂点から引きずり下ろされることになった。
しかし、あの勝利は何度も何度も引き合いに出されてきた。ヒッチンズも、あの試合でカンボソスがしっかり結果を出したこと自体には一定の評価をしている。だが、それ以降の実績はどうだ? というのがヒッチンズの見解だ。あのロペス戦以降、カンボソスの戦績はわずか2勝3敗。そのうち2敗はデヴィン・ヘイニー相手のものだ。ヒッチンズに言わせれば、「それほどでもない」というわけだ。
とはいえ、より大きな流れが動いているのも事実だ。ヒッチンズはヘイニー陣営の“本命リスト”に入っているわけではないが、彼らも無視できない存在として注目はしている。ただし、彼らはヒッチンズの持つ140ポンドのタイトルには興味がなく、むしろ対戦の現実味を高めるために階級を上げることを望んでいる。
その体格や、140ポンドのリミットを作るのがいかに厳しいかを考えると、ヒッチンズにとって階級を上げるという選択肢は十分に現実的だ。しかし、実際にその決断を下す前に、まずは目の前のカンボソスに全神経を集中させるべきだとビルは考えている。
「ヒッチンズよ、集中を切らすな。」