エディ・ハーンは、
ベン・ウィテカー――自身が「次の
アンソニー・ジョシュアになり得る」と考える男――に対し、2022年当時、ボクサー(Boxxer)と契約するよう自ら助言していたことを明らかにした。
ウェスト・ブロムウィッチ出身の28歳ウィテカーは、プロ最初の10戦をベン・シャローム率いるボクサーで戦ったのち、ついに今週土曜夜にマッチルームの旗の下でデビューを迎える。
東京五輪で銀メダルを獲得したウィテカーは、世界中の主要プロモーターが欲しがる“本物の青田買い”で、マッチルームも獲得競争に勝ったと確信し、エセックスの本社で契約発表用の映像まで撮影していた。
しかしマッチルーム会長のハーンは、金銭的に全く太刀打ちできなかったため、3年前にボクサーに行くよう助言せざるを得なかったという。
「忘れないでほしいのは、彼がプロ入りしたとき、俺たちは彼のプロモ映像を撮ったんだ」とハーンは『
ザ・リング』に語る。
「すべて合意して、彼が金を空中に投げているような映像も撮って『これは獲れたな』と思っていた。
でもそこにシャロームがオファーを持ってきた。彼らは“これにはノーと言えない”と言い、その内容を聞いたとき、俺はただ『友よ、それは乗るしかない』と言っただけだった。
でも今年初め、弁護士から“正式に契約解除”というメールが届いたとき、これはいつか実現するはずの夢の移籍だと思った。全員が彼を欲しがっていたが、チームとして俺たちはそれを成し遂げた。」
ウィテカーは2022年7月のプロデビュー以来、10戦すべてをボクサーで戦い、その最後は4月20日のリアム・キャメロンとの再戦での勝利だった。
ライトヘビー級のウィテカーは、ボクサーとBBCの新契約によって自身の試合数に影響が出るのではないかと懸念し、あの有名なプロモ映像から3年以上を経て、マッチルームへ移籍する決断を下した。
マッチルームとの初戦は今週土曜夜、バーミンガムのBPパルス・アリーナで行われ、ドイツの
ベンジャミン・ガヴァジ(19勝1敗、13KO)を相手にDAZNでメインイベントを務める。
「もしベンが我々の思っている選手なら、土曜は圧倒的に見せなければならないし、実際そうなると思う」とハーンは語った。「この試合がうまくいけば、2月にまたリングに上がることになる。
彼を正しく導き、集中させ、軌道に乗せないといけない。うちと契約する前、彼には明確なプランやスケジュールがなかったと感じている。
“6週間後に試合だよ” → “ああ、じゃあまた5か月後に”という感じで、気づけば5か月も空いてしまう。だが今回は、11月に試合をして、次は2月、おそらくアメリカ。その後、夏にはまたヘッドラインに戻るというように、ちゃんとした計画とスケジュールがある。」
では、その計画の中で28歳のウィテカーがトップ戦線に挑むのはいつになるのだろうか?
「そうだな、3〜5試合くらい見てほしい」と彼(ハーン)は言う。
「ただし、王者が誰かにもよる。
マイケル・アイファートと
コナー・ウォレスが空位のIBF王座を争うことになれば、我々は次戦でその試合を受けるつもりだ。
しかし、
ドミトリー・ビボル、
アルトゥール・ベテルビエフ、
デビッド・ベナビデスのような相手となると、もっと5試合に近くなる。彼らが究極の目標だが、この階級には3つのレベルがあると考えている。」
「まず最初の層は、
クレイグ・リチャーズ、ダン・アジーズ、ザック・パーカー、
ウィリー・ハッチンソンのような国内レベルの選手たちだ。次の層には、
カラム・スミスやアンソニー・ヤードのような選手がいる。そして最上位にはビボル、ベテルビエフ、ベナビデスがいる。今の段階では、我々はその最下層に近づいている。
2026年になれば、彼は次のレベルに上がる。そしてその頃には準備が整っているだろう。彼はまだ10戦しかしていないが、あの層の選手たちは何十戦もこなしている。しかしベンの戦いぶりを見て、なぜ今すぐトップ層とやらないのかと聞いてくる人がいる。彼は特別な才能を持っている。だからこそ、時間をかけて正しく導いていく必要がある。
みんなが私に『次の英国ボクシングのスターは誰だ?』と聞いてくる。AJ(アンソニー・ジョシュア)、ナズ(ハメド)、アミール・カーンのような存在のことだ。私は、ベンがその系譜に入ると信じている。」