ジェイミー「TKV」・チケバのプロモーターであるベン・シャロームは、土曜夜にマンチェスターのCo-Opライブ・アリーナで行われた試合で、デビッド・アデレイに疑惑のストップ負けを喫した後、レフェリーのロン・カーニーの裁定を痛烈に非難した。
チケバ(8勝2敗、5KO)とアデレイ(14勝1敗、13KO)は、DAZNで配信されたジョー・ジョイス対フィリプ・フルゴビッチをメインとする興行のセミファイナルで、英国ヘビー級王座を懸けて対戦した。
チケバがアンダードッグと見られていたが、試合では好パフォーマンスを見せ、ジャブで主導権を握りながら、前半の5ラウンドをすべて取ったとも言える内容だった。しかし、第6ラウンドで物議を醸す展開が待っていた。
リング中央でアデレイとチケバがクリンチ状態になっていた際、カーニーは2度にわたって「ブレーク」と指示を出し、その後TKVのグローブを軽く叩いて合図を送った。
チケバは指示どおりクリンチを解いて離れようとしたが、その瞬間、アデレイの強烈な左フックを浴び、キャンバスに叩きつけられた。 トッテナム出身のチケバは立ち上がったものの、アデレイはすぐさま再び攻勢をかけ、2度目のダウンを奪取。その直後にカーニーが試合をストップした。
結果に激怒したチケバのトレーナー、バリー・スミスとベン・デイビソンは、試合後リング上でカーニーに激しく抗議した。
シャロームは判定の覆しを求めて正式に抗議を申し立てる意向を示し、カーニーの裁定を「恥ずべきものだった」と厳しく非難した。
シャロームは「ザ・リング・マガジン」のルイス・ハートに「今見たものは、自分のキャリアの中でも最も恥ずべき出来事のひとつだった。レフェリーが『ブレーク』と2度もコールし、選手の腕に触れたうえで、その選手をカウントアウトするなんて、これまで見た中でも最もあり得ないレフェリングだった。」と語った。
「この結果は覆されるべきだ。デビッド・アデレイを責めているわけじゃない。問題なのは、レフェリーが完全に大失態を犯したということ。ジェイミーは試合を優位に進めていて、どんどん楽に見えていた。自分の立場からは『なぜ集中を切らしたんだか。』と思ったけど、そのあとレフェリーの動きを見て納得した。」
「信じられない。本当に信じられない。あの試合の結果は他にあり得ない。デビッド・アデレイが勝ったとは到底言えない。絶対に覆されるべきだ。」
「それに、ヘビー級のボクシングにおいて、2度もブレークをコールした後に、あんなパンチを食らわせるなんて本当に危険だ。極めて危険な行為だよ。」
「当然ながら、この結果を覆すために正式に抗議を申し立てるつもりだ。ジェイミー本人も何が起きたのか理解できていない様子で、混乱している。試合は彼がリードしていて、すべて順調だったのに、2度もブレークの指示を受けて…」
「ヘビー級の選手に、ガードを下げた状態でパンチをもらえば、ただでは済まない。本当に危険なことなんだ。」
また、3月に起きたパディ・ドノバンのルイス・クロッカー戦での反則負けと今回のケースを比較したシャロームは、カーニーが「ブレーク」という指示を出したことを否定している点にも言及した。しかしその声は、テレビのリプレイ映像で明確に確認できる。
さらにシャロームは「レフェリーが『ブレーク』のコールを否定するなんてあり得ない。映像を見返したが、彼は確かに2回『ブレーク』と叫び、ジェイミーの腕にも触れている。その後ジェイミーが視線を外した瞬間にパンチを受け、カウントアウトされた。あの判定は到底認められない。技術的には失格扱いになるべきだ。パディ・ドノバンに何が起きたかを見れば明らかだ。」と言い加えた。
「ひどい。本当にひどいレフェリングだった。ジェイミーは楽にリードしていた試合を、あれで失ってしまったんだ。」