英国ジュニアミドル級の上位戦線では、停滞が生じている。
一連の不運な出来事により、ブリティッシュタイトルはしばらく空位のままとなっており、イングリッシュタイトルも現在は空位だ。飢えたファイターたちは自分の出番を辛抱強く待ち続けてきたが、そのチャンスが一体いつ訪れるのか、不安を感じ始めている。
7月26日には、彼の双子の兄で同じく無敗のカール・フェイル(10勝0敗、3KO)が、154ポンドのミッドランズ・エリア王座をかけて
アミール・アブバカー(9勝0敗、6KO)と対戦する。フェイル一家にとって、国内タイトル戦線への扉をこじ開けるチャンスとなる。
ベンは兄の勝利を願いながら、自身にもいずれチャンスが巡ってくることを理解している。
「今年は本当にフラストレーションの溜まる年だった」とフェイル(9勝0敗、5KO)は『ザ・リング・マガジン』に語った。
「3月に試合をして、それからステップアップとなるような試合を狙っていたんだけど、今はそういう試合を組むのが本当に大変なんだ。でも、今は正しい方向に進んでいると思う。カールがミッドランズ・エリア王座をかけて戦うし、それに勝てばブリティッシュタイトルの指名挑戦者になる。そしたら彼はすぐに王座を返上して、俺がそのタイトルを狙えるようにしてくれるんだ。」
「そうなれば、そこから一気に進んでタイトルを獲っていける。ボクシングって時に本当にフラストレーションの溜まるスポーツなんだ。みんなリスクを取りたがらないからさ。」
フェイルは、一刻も早く前進したいという強い思いを抱く男だ。キャリアが本格的に始まる前に重度の手のケガに見舞われたものの、その後の2年間で8試合をこなし、遅れを取り戻すかのように急速に8回戦レベルまで到達した。そんな彼にとって、成長の足を止められることは大きなストレスだが、注目の外で地道に努力を重ねる中で、自分がどれだけ成功を渇望しているのかを痛感することになった。
「ボクシングって試練の連続だろ?」と彼は語った。「デビュー戦で手を骨折して、そこから2年もリングを離れることになった。カールも2年ぶりのケガ明けから復帰したばかりだ。こういうことは、ボクシングだけじゃなく人生においても多くのことを教えてくれる。俺にとっても多くの学びがあったし、ボクシングは金だけが全てじゃないってことを、俺たち2人に教えてくれた。大事なのは勝つこと、そして何かを成し遂げること。俺たちには目標がある。それは兄弟でブリティッシュ王者になること、そしてそこからさらに上を目指すことだ。」
フェイルは決して無駄な時間を過ごしているわけではない。明確な対戦相手と日程が決まるのを待ちながらも、常にコンディションを維持し、さまざまなスタイルの相手とのスパーリングを通じて学びを深めている。
現在のボクシング界では、チャンスはいつどこで舞い込んでくるかわからない。28歳のフェイルは、その瞬間に備えて常に準備を整えている決意だ。
「俺たちはピーボック・ボクシングジムを拠点にしていて、
デンゼル・ベントリー、ダン・アゼーズ、アルフィー・ガスキン、サム・キングみたいな選手たちがいる」と彼は続けた。
「ジムにはミドル級の選手がたくさんいて、常にスパーリングで組み合いながら、お互いに学び合ってる。いつも全力で自分たちを追い込んでるし、今はまさに成長し、学び、大きなタイトル戦に向けて準備を整える絶好のタイミングなんだ。」
「今はトゥルキ・アル・シェイク閣下が関わっているおかげで、チャンスは無限大だと思う。だからこそ、そのチャンスが来たときには、両手でしっかり掴んで一気に駆け上がらなきゃいけないんだ。」
フェイルがサウジアラビアのメガイベントに出場するには、まだ時間がかかりそうだが、「リヤド・シーズン効果」はボクシング界全体に波及しており、プロモーターたちの間でも無敗の有望株同士を積極的にマッチメイクしようとする姿勢が強まってきているようだ。
英国ジュニアミドル級の上位戦線で生じている渋滞も、いずれは確実に解消に向かう。その道筋が見えてきたとき、フェイルは目標を達成するために誰とでも戦う覚悟だ。
「理想を言えば、年末までにイングリッシュ王者になっていたい」と彼は語った。
「もちろん、
ビラル・ファワズと
ジュナイド・ボスタンがイングリッシュタイトル戦で引き分けになったし、ジュニアミドル級の他のタイトルも今は全部塞がっている状態だ。
サム・ギリーと
イシュマエル・デイビスがブリティッシュタイトルの指名挑戦者になってるからね。」
「だから年末までには、カールが自分の試合に勝って、イシュマエルかサムのどちらかと対戦することになる。そしたら俺は、再戦が組まれるならボスタン対ファワズの勝者を狙っていける。」