マーティン・バコレは、ジョセフ・パーカーとの対戦を急遽引き受けたことについて「後悔はない」と語り、今週末にエフェ・アジャグバを倒すことで、ニュージーランド人との再戦を実現させたいと意気込んでいる。
バコレは2月22日にリヤドのザ・ヴェニューで行われた興行のファイトウィーク中、母国コンゴにいた。そのとき、IBF世界ヘビー級王者ダニエル・デュボアが体調不良でジョセフ・パーカー戦を欠場するというニュースが流れた。
『ザ・リング・マガジン』ヘビー級3位のパーカーは、試合が消滅する可能性もあったが、バコレがその代役として名乗りを上げ、すぐにナイジェリア経由でリヤド行きのフライトに飛び乗った。
バコレは試合開始の24時間未満前にサウジアラビアへ到着し、試合では第2ラウンド2分17秒でパーカーにストップ負けを喫した。
それから10週間、今度は準備期間を十分に取り、現地にも余裕を持って到着したバコレが、再びリヤドの同じリングに戻ってくる。今回の相手はナイジェリアのエフェ・アジャグバ。アフリカ人同士の注目対決となる。
この試合に勝てば、バコレにとって初の世界ヘビー級タイトル挑戦への道が再び開ける。だからこそ彼は、あのときパーカー戦を引き受け、興行を救った判断に「間違いはなかった」と強調する。
「あの決断に後悔はまったくない」と、バコレはリヤドで『ザ・リング・マガジン』に語った。「自分に試合を組んでくれて、すべてを支えてくれている“閣下”に対する大きな恩返しだった。彼にはこの恩を返す義務があったんだ。
彼は“パーカー戦の結果がどうであろうと、君にはアジャグバ戦が用意されている”と言ってくれたし、実際にその約束を守ってくれた。だからこそ、俺は『もちろん、問題ない』と言って、すぐに飛行機に飛び乗ったんだ。
後悔していないのは、あの試合を“負けた”とは自分では思っていないから。あの状況じゃ、本当の意味での敗北にはならない。
実のところ、あの試合については全く考えていなかった。俺はDAZNで試合を観るためにパーカー対デュボアの放送を購入していたくらいだから、自分がその相手になるとは本当に予想外だったよ。
でも、今はこうしてこの試合のためにここにいる。俺の頭の中には、最初からこのアジャグバ戦こそが本当の戦いだと思っていた。」
しかし、現在『ザ・リング・マガジン』ヘビー級10位で、戦績20勝1敗(14KO)のアジャグバとの一戦は、世界タイトル挑戦に向けた激しい争いの中で負けられない試合となる。
わずか3か月足らずで2敗目を喫すれば、バコレは再び挑戦者争いの後方に追いやられることになる。だからこそ、彼はこの勝利によって、ジョセフ・パーカーとの“償いの一戦”に繋げたいと強く願っている。
「この試合に勝って、閣下に再戦をお願いしたいんだ」とバコレは語った。「フルキャンプと万全の準備があれば、今度は必ずパーカーに勝てると確信している。
ジョセフ・パーカーが再戦を受けるとは思えないけど、ファンは絶対に見たがっているよ。SNSでも“フルキャンプを経たマーティン・バコレがパーカーと再戦するのを見たい”というメッセージがたくさん届いている。
自分にはその再戦の資格があると思ってる。だって俺があの試合を救ったんだ。パーカーだって、あの試合のために大金をかけて準備していたわけで、俺は彼のキャンプそのものを救ったんだ。だからこそ、その借りを返す機会が必要なんだ。
だからこそ、土曜の試合は俺にとって本当に大きな意味を持つ。勝って、もう一度軌道に乗せて、閣下に毎日のように再戦を頼めるようにしたい。」
バコレ対アジャグバは、DAZN PPVで配信されるサウル・アルバレス対ウィリアム・スカルによるスーパーミドル級4団体統一戦のアンダーカードの一戦として行われる。