アンソニー“アント”・カカーチェがついに王座から退く決断を下した。
現在絶好調のベルファスト出身サウスポーは、IBFスーパーフェザー級王座を返上したことを正式に発表。今回の決定は、カカーチェの指名挑戦者であるメキシコのエドゥアルド・ヌニェスが数か月にわたり待機していた状況を経て下されたものであり、これによりヌニェスは空位となった王座を争うチャンスを手にすることとなった。
「本日、自分のIBF世界王座を返上することを決断した」とカカーチェは金曜日、SNSを通じて発表した。「世界チャンピオンになることは、まさに夢であり、自分にとってこの上なく誇らしい瞬間だった。
「だが、キャリアのこの段階では、王座の有無に関係なく、とにかくビッグファイトだけを求めていきたい。」
この決断により、カカーチェの王座在位は8か月で幕を閉じた。その始まりは、5月18日にサウジアラビア・リヤドで当時無敗の17勝(無敗)のジョー・コーディナを8ラウンドKOで破るという番狂わせからだった。カカーチェはその後、9月21日にロンドンで元IBFフェザー級2階級王者のジョシュ・ワーリントン(31勝4敗1分8KO)を相手に、12ラウンドの判定勝ち(3-0)で初防衛に成功していた。
カカーチェ(23勝1敗8KO)は、当時Ringランキングでスーパーフェザー級3位に位置しており、本来は27勝1敗すべてKO勝利を挙げているエドゥアルド・ヌニェス(同級7位)との防衛戦が予定されていた。しかし、ロンドンで開催されたこの興行は「リヤド・シーズン」にとって初の英国上陸であり、全試合を英国人選手同士で構成する方針が優先された。
その代わりとして、ヌニェスには「勝者との対戦権」が約束されていた。
しかし、その条件が満たされなかったため、この件は再び入札手続きに戻された。カカーチェを擁するクイーンズベリー・プロモーションズと、ヌニェスを代表するマッチルーム・ボクシングは、IBFが入札を中止するに足る合意に至り、試合は2025年の第1四半期に行われる見込みとされていた。
この合意は、カカーチェ陣営にとって時間を稼ぎ、別のチャンスを模索するための手段に過ぎなかった。
「自分は“賞金を稼ぐファイター”なんだ」とカカーチェは語る。「今の目標は、自分と家族の将来を守ること、そしてファンの記憶に残るビッグファイトに出場することで、ボクシング界に自分のレガシーを築くことだ。」
「次の試合を近いうちに発表できるのを楽しみにしている。続報をお楽しみに」とカカーチェは締めくくった。
次戦の相手として、元WBAフェザー級王者リー・ウッドとの対戦が浮上しているが、この記事執筆時点ではまだ噂の域を出ていない。
「ファンが求めているのは、最も大きく、最高の試合。それこそが、アントに用意するものなんだ」と、クイーンズベリー・プロモーションズ代表で殿堂入りプロモーターのフランク・ウォーレンは強調した。「試合に関するニュースは近日中に発表する。期待していてくれ、がっかりはさせないよ。」
「ザ・リング・マガジン」の取材によると、エドゥアルド・ヌニェスは日本の力石政法(16勝1敗11KO)と空位のIBF王座を懸けて対戦する見込みとなっている。
ただし、その前に正式な手続きを踏む必要があり、まずIBFがこの試合の承認を出すことから始まる。承認後、両者は今春にも日本で対戦すると見られている。
Jake Donovanは、「ザ・リング・マガジン」の米国チームの一員。
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