アンディ・リーは、“ブリティッシュ・トミー・ハーンズ”と呼ばれるハムザ・シーラズについて、その「驚くべき」パワーゆえにクロンカジムでも違和感なく通用しただろうと語っている。
イングランド出身の
シーラズは、2月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたWBCミドル級王者
カルロス・アダメス戦での不本意なドローを経て、今年初めにリーとタッグを組んだ。その新体制の効果はすぐに表れ、7月12日、ニューヨーク・クイーンズで
エドガル・ベルランガを5ラウンド以内で粉砕。アダメス戦からわずか5か月足らずでの鮮烈な勝利となった。
この結果により、シーラズは戦績を22勝0敗1分(18KO)と伸ばし、
カネロ・アルバレス戦が手の届く距離に近づいた。
ベルランガ戦はリーの下で迎えた初めてのダブリン合宿の成果とも言えるが、高く評価される名コーチであるリーは、自身の手腕ではなくシーラズが本来持つ資質こそが勝因だと強調した。
ジョセフ・パーカーや
ベン・ウィッテカーといった強打者も指導しているアンディ・リーは、初めてハムザ・シーラズをミット打ちさせた時の衝撃を認めている。
「彼のパンチ力は本当に衝撃的だよ」とリーは『ザ・リング』に語った。
「ハムザのパンチは本当にとんでもない。最初は本当に驚かされた。彼の左手は……唯一の表現方法は“ショッキング”という言葉だ。ミットに打ち込まれた瞬間に分かるよ」
「そしてスパーリングになると、それが毎回はっきり見える。対戦相手は色んなプランを持ってリングに入るけど、最初のジャブが当たった瞬間に表情が一変するんだ」
ベルランガ戦についても触れ、4ラウンドに2度のダウンを奪い、5ラウンドで仕留めた勝利に関してリーはこう続けた。
「実際のところ、あの試合では我々が練習で取り組んだ本当の部分はまだ全然見せていないんだ」
「そしてベルランガを倒した動きは、実はハムザがずっとやってきたことなんだ。彼は常にガードを上げて前に出て、食い込むように打ち込むことができる」
シーラズのプロ転向を最初に持ちかけたのは、2017年に彼と契約を交わしたプロモーターのフランク・ウォーレンだった。ウォーレンは、長身で細身のフレーム、長いリーチ、そして破壊的なパワーを理由に、まだ無名に近かった若者を「ブリティッシュ・トミー・ハーンズ」と呼んだ。
一方でアンディ・リー自身は、故エマニュエル・スチュワードのもとで学び、トミー・ハーンズが名声を築いたデトロイトのクロンカジムで長年を過ごした経験を持つ。だからこそ、ウォーレンの比喩について的確に語る立場にある。
元WBOミドル級王者のリーはこう語った。
「その比較は明らかだよ。サイズ、身長、そしてパワーが似ているからね。
でもそれだけじゃなくて、姿勢も似ている……“相手を痛めつけたい”という気持ちさ。ただその一点だ。ハムザはクロンカにぴったりだっただろう。地下ジムでも完璧にフィットしたと思うよ」
しかしリーは、本格的な成長は次の合宿から始まると考えている。シーラズがようやく自分のトレーニング方法に適応してきたからだ。
「彼が戻ってきたら、元の状態に戻すまでに2週間くらいはかかるだろう」とリーは語った。
「そこからようやく細かい部分に取り組む余裕が生まれる。核心はもうつかめている。彼に必要なのは基本をしっかり身につけること。その先にもっと派手な動きや技術が加わっていくと思う」
「正直に言うと、彼がここに来る前はあまり研究していなかった。ただ来ると分かっていたから、自分がプラスの影響を与えられると思っただけだ。でも実際に話を聞いてみると、彼がどんな練習をしてきたのか、どんな経験を積んできたのかが分かった。まさに修羅場をくぐってきた選手なんだ」