ニューヨーク発 — アンディ・クルスは、キーショーン・デイビスがWBOライト級王座初防衛戦の前日計量で、4.3ポンドのオーバーを記録したことを知り、他の誰と同様に衝撃を受けた。

プロモーターのサンプソン・ルコウィッツは、金曜夜のメインイベントからエドウィン・デ・ロス・サントスを外した。相手のデイビスが約5ポンドも重かったため、安全面の懸念からルコウィッツが判断したものだった。さらにデイビスは、土曜夜に兄ケルビン・デイビスがナヒール・オールブライトにマジョリティ・デシジョンで敗れた後、オールブライトのロッカールームに入り込み、過去に対戦した相手との口論を起こし、クルスを再び驚かせた。

クルスは、ノーフォーク（バージニア州）で行われた“将来有望なスター”をアピールするはずだった夜に、ライバルであるデイビス（13勝0敗9KO、1無効試合）の振る舞いについて非難した。

「彼は父親から何も学んでいないね」とクルスは『ザ・リング』のインタビューで冗談交じりに語った。「彼が学んでいないのは、これはプロのスポーツだということだ。彼はボクシングを侮辱し、彼自身のファン、そしてすべてのボクシングファンを侮辱したんだ。」

デイビスは、アルゼンチンの有力選手グスタボ・レモス（29勝2敗、19KO）と元WBOライト級王者デニス・ベリンチク（19勝1敗、9KO）を連続でノックアウトし、勢いに乗ってデ・ロス・サントス（16勝2敗、14KO）との試合に合意していたが、その流れを自ら台無しにしてしまった。

キューバ出身のクルスは、2021年8月の東京オリンピック・ライト級決勝で4対1の判定勝ちを収め、金メダルを獲得した相手であるデイビスのことを好ましく思っていない。しかし、そんなクルスでさえ、今回のデイビスの行動には驚きを隠せなかった。というのも、「ザ・ビジネスマン（デイビスのニックネーム）」は、2023年10月にナヒール・オールブライトとの10回戦でマジョリティ・デシジョン勝ちを収めたものの、大麻の陽性反応により無効試合となって以降、非常に集中しているように見えたからだ。

「私だけでなく、世界中が驚いたと思う」とクルスは語った。「まるで計画されていたかのようだが、我々はただ、それが起きていることに気づかなかっただけだ。」

デイビスは、オールブライト（17勝2敗、7KO、1無効試合）との口論を計画していたわけではなかった。だが、ケルビン・デイビス（15勝1敗、8KO）に勝利したオールブライトが勝利を祝おうとしていたところに“頭突き”を仕掛けたとして、オールブライトはオリンピック銀メダリストに対して法的措置を検討すると述べている。

「ボクシングは、勝ち方と負け方の両方を知らなければならないスポーツだ」とクルスは言った。「今回のケースでは、（キーショーン・デイビスは）負け方を知らなかったということだ。」

29歳のクルス（5勝0敗、2KO）は、将来的にデイビスとのライト級王座統一戦を望んでいた。クルスは今でも、プロとして再戦することになると考えており、それはより上の階級になるだろうと見ている。

しかし今週、クルスが集中しているのは、土曜夜にマディソン・スクエア・ガーデン内のザ・シアターで行われる、IBFライト級挑戦者決定戦の相手である日本の三代大訓（17勝1敗1分、6KO）との一戦のみだ。

「今は自分の次の試合に完全に集中している」とクルスは語った。「ただひとつ言えるのは、父（クルス）と息子（デイビス）は、いずれどこかで再び巡り合うということだ。」

DAZNは、クルスと三代による12回戦をセミファイナルとして配信予定であり、その後にはブルックリン出身のリチャードソン・ヒッチンズ（19勝0敗、7KO）がオーストラリアのジョージ・カンボソス・ジュニア（22勝3敗、10KO）を相手にIBFスーパーライト級王座の防衛戦を行うメインイベント（12回戦）が続く。

引き分けや無効試合とならない限り、IBFで第3位にランクされている本命視のクルス、もしくは第5位の三代のどちらかが、IBFライト級の新王者に昇格したレイモンド・ムラタヤ（23勝0敗、17KO）への指名挑戦者第1位となる。なお、IBFライト級ランキングの1位および2位は現在空位となっている。

Keith Idec は『ザ・リング・マガジン』の上級ライター兼コラムニスト。X（旧Twitter）では @idecboxing で連絡可能。