オースティン・「アモ」・ウィリアムズは、パトリス・ヴォルニーの高く堅固なディフェンスを突破するため、豊富な手数で攻略し、昨年ハムザ・シェラーズにKO負けを喫して以来、最もタフな試合を制した。
ミルウォーキー出身のウィリアムズは12回戦のミドル級戦で判定勝ちを収めたが、モントリオールのヴォルニーは強固なガードと戦術で随所にプレッシャーをかけ、ウィリアムズを苦しめた。ジャッジのフレッド・フルーティ(118-110)とエフレイン・レブロン(116-112)はそれぞれウィリアムズに10ラウンドと8ラウンドを与えたが、マイケル・ロスの115-113というスコアのほうが、実際の接戦を反映したものだった。
いずれにせよ、ウィリアムズ(18勝1敗、12KO)は、昨年6月1日、サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナでイギリスのコンテンダー、ハムザ・シェラーズ(21勝0敗1分、17KO)に11回TKO負けを喫して以来、2連勝を飾った。プロモーターのエディ・ハーンは、この勝利がウィリアムズを2025年末までに160ポンド級(ミドル級)タイトル戦へと導く可能性が高まったと考えている。
「最高だ。本当に最高の気分だ」とウィリアムズはDAZNのクリス・マニックスに語った。「こういう厳しい試合のためにトレーニングしてきたんだ。勝ちたいという強い意志を持つタフな相手との戦いに向けてね。ヴォルニーはこれまで一度もストップされたことがなかった。だからKOを狙っていたけど、成熟したボクサーとしての判断が求められた。無理に倒しにいけば、逆にカウンターをもらうリスクがあることは分かっていた。過去の経験から学び、戦略的に勝つことを選んだ。彼は非常に頭が良く、試合中ずっとセコンドの指示を的確に聞いていた。だからこそ、こちらも過去の試合で培った経験を活かし、じっくりと彼を攻略しなければならなかった。」
35歳のヴォルニー(19勝2敗、13KO)は、2021年11月に当時28勝無敗のエスキバ・ファルカン(ブラジル)にテクニカル・スプリット・デシジョンで敗れて以来、初めての黒星を喫した。
ヴォルニーとウィリアムズは、最終12ラウンドをまるで試合の勝敗がこの3分間で決まるかのような激しい攻防で戦った。
試合終了40秒前、ヴォルニーの左フックがウィリアムズをとらえ、ウィリアムズはクリンチを選択。さらに試合終了直前、ウィリアムズは足を絡ませて倒れたが、レフェリーのルイス・パボンはこれをスリップと判断した。
11回残り30秒、ヴォルニーの左フックがウィリアムズの動きを止めた。さらに約10秒後、ヴォルニーはボディへの左をヒットさせ、ウィリアムズが距離を取ろうとするところを捕えた。
11回序盤、両者は激しい打ち合いを展開。
10回残り40秒、ヴォルニーのボディショットがウィリアムズの動きを鈍らせ、それまで当てていたジャブや左ストレートのペースを奪った。
9回終盤、ヴォルニーの右アッパーカットがウィリアムズの頭を跳ね上げた。さらに1分以上を残した場面で、両者はインサイドでの打ち合いを繰り広げた。
ウィリアムズは8回にジャブを軸に攻撃し、ストレートの左や左アッパーカットをヒットさせた。
7回では、6回の激しい打ち合いの後、両者ともディフェンスを重視した。しかし、ウィリアムズはこのラウンドではやや消極的で、ヴォルニーに攻勢を許す場面もあった。
静かな展開となった5回の後、6回にはヴォルニーがウィリアムズに左フックを打ち込み、一時的にダメージを与えた。しかし、ウィリアムズは冷静さを保ち、終盤には左ストレートでヴォルニーを揺さぶった。
4回開始10秒も経たないうちに、ヴォルニーの右ストレートがウィリアムズを捉えた。試合巧者のヴォルニーはその後も右ストレートを決め、ウィリアムズを後退させた。
ウィリアムズは3回にボディ攻撃を強化したが、ヴォルニーも応戦し、試合の流れを変える場面を作った。この展開にウィリアムズのトレーナーであるケビン・カニンガムは不満をあらわにした。
2回中盤直前、パボンはウィリアムズにローブローの注意を与えた。ウィリアムズはその前に左ストレートをヒットさせていたが、ヴォルニーは冷静に対処した。
Keith Idec は『The Ring』の記者兼コラムニスト。X@idecboxing で彼に連絡可能。