アブドゥラ・メイソンは特別な存在である。彼のスキルセットにさほど魅力を感じない者であっても、21歳になったばかりの彼の実力を否定するのは難しい。
誕生日を迎えたのは先週末のことで、それ以前の彼はまだバーで自分で酒を買うことすらできない年齢だったが、リング上では常に支配的な戦いを見せてきた。そして先週土曜の夜も、それは変わらなかった。
急遽代役として登場したカルロス・オルネラスは最善を尽くしたが、ほぼすべての局面でメイソンに圧倒され、結果としてネバダ州ラスベガスのパームス・カジノにおいて第6ラウンドでストップされた。
メイソンがオルネラスに一方的な攻撃を加え続ける中、長年彼を支えてきたプロモーターのボブ・アラムはリングサイドで微笑んでいた。アラムはこれまでに数々のボクサーを見てきた男である。優れたボクサーはもちろん、特別なボクサーも何人も見てきた。ここで言う「特別な」というのは、「優れた」とは一線を画す存在である。
優れたボクサーはタイトルを獲得し、あらゆる相手と競り合える。しかし、特別なボクサーはそれをより容易にやってのけ、加えて世間に名を知られ、テレビでも注目の的となる。アラムは、メイソンをまさにその「特別な」カテゴリーに分類したのだという。
「ボブは試合直後に僕にこう言った。『集中し続ければ、お前はボクシング界の顔になれる』と」と、メイソンはショーン・ジッテルのインタビューで語った。
層の厚い135ポンド級でタイトルを獲得することは、大きな意味を持つ。現在、その階級のタイトルはジャーボンタ・デービス、シャクール・スティーブンソン、ワシル・ロマチェンコ、キーション・デービスといった面々が支配している。
メイソンは彼らの立場を羨み、同時に悔しく思っている。なぜなら、彼らが手にしているものを自分も手に入れたいからだ。いずれ自分の夢である世界王者という地位に到達すると信じているが、それだけでは満足しない。
適切なタイミングが訪れれば、彼は彼らのうちの誰かからタイトルを奪い取る覚悟でいる。そして、その過程において、単なる王者ではなく、世界中で最も認知される存在の一人になると自負している。
「自分こそが、これからのボクシング界を代表する存在になると思っている」とアブドゥラは締めくくった。