アブドゥラ・メイソンは
サム・ノークスから目を離したくはないが、ある程度、先のことも見据えている。
WBO王座を手に入れることは何より重要だが、すべてが計画通りに進めば、メイソンには次の選択肢がいくつも見えてくる。現在、
シャクール・スティーブンソン(24勝0敗、11KO)が135ポンド級で『The Ring』を含む大半のランキングで1位に君臨している。
しかしメイソンは、いずれスティーブンソンと拳を交える時が来たとしても、対応が難しい相手にはならないだろうと考えている。ボルチモア出身の、ある強打のスターほどではないというのだ。
「タンク(
ガーボンタ・デイビス)のほうが、より厳しい試練になるかもしれないと感じている」
とメイソンは Boxing Social に認めた。
デイビスの才能自体は誰も否定できないが、その精神面には疑問が投げかけられている。31歳のWBA王者は現在、元恋人コートニー・ロッセルから提起された民事訴訟に直面している。訴訟の中で、デイビス(30勝0敗1分、28KO)は、重度の暴行、虚偽監禁、誘拐、精神的苦痛の故意的加害などの疑いをかけられている。
そうした告発により、11月14日にフロリダ州マイアミのカセヤ・アリーナで予定されていた
ジェイク・ポールとのエキシビションマッチは中止となった。また、デービスは今回の法的トラブル以前に、ポールとの試合を終えたらボクシング界から手を引き、引退すると発言していた。それでも、メイソン(19勝0敗、17KO)は、デービスがリングにもたらすものを十分に評価している。
デービスは通常、最終ゴングが鳴る前に相手を仕留めてしまう。しかし、今年3月1日、ブルックリンのバークレイズ・センターで行われたラモント・ローチ戦では、マジョリティ・ドローに終わった。
一方のスティーブンソンは、ほぼ完璧な成績を残している。彼は今年、2月のジョシュ・パドリー戦(9回TKO)と7月のウィリアム・セペダ戦(
12回判定勝)で、WBCライト級王座を2度防衛している。
スタイル的な観点から見ると、スティーブンソンは通常、対戦相手にとって悪夢のような存在だ。しかしメイソンの見方では、ワンパンチで試合を終わらせてしまう危険を持つ相手よりも、スティーブンソンのボクシング技術に対処する方がまだ良いという。
「タンク(デービス)は、あのパワーがあるから注意しないといけない」とメイソンは言う。「個人的には、タンクの方がより厳しい試験になると感じている。」