アブドラ・メイソンは、他の多くのアメリカ人男性とはまったく違う形で、ラスベガスで自身の21歳の誕生日を祝った。
クリーブランド出身の才能あふれるサウスポーは、ラスベガスのパームス・カジノ・リゾート内パール・シアターで行われたリチャード・トーレス対グイド・ヴィアネッロのアンダーカードで、カルロス・オルネラスを第2ラウンド、第4ラウンド、そして第6ラウンドにそれぞれ1度ずつダウンさせ、TKO勝利を収めた。メイソンはこれで18勝0敗(16KO)となり、試合開始前にリングサイドドクターがレフェリーのラウル・カイズ・ジュニアに対し、オルネラスを第7ラウンドに出場させるべきではないと判断を伝えたことで、テクニカルノックアウトが成立した。
メキシコ出身のオルネラス(28勝5敗、15KO)は、試合前まで15か月のブランクがあった。彼はもともとの対戦相手だったシカゴのジョバンニ・カブレラ(22勝2敗、7KO)が目の手術を要する負傷により試合をキャンセルしたため、比較的短期間の準備でこの試合を引き受けていた。
第6ラウンド、メイソンの左のパンチが決まり、オルネラスは右目の周囲にカットを負った。さらに同ラウンド残り1分、メイソンの強烈な左が再び決まり、オルネラスはこの試合3度目のダウンを喫し、膝をついた。
オルネラスはなんとか第6ラウンド終了まで持ちこたえたが、その時点でメイソンのKO勝利は時間の問題のように見えた。オルネラスは第7ラウンドへの続行を希望したが、リングドクターがそれを許さなかった。
メイソンは第4ラウンドでも主導権を握り続けた。残り24秒、オーバーハンドの左がオルネラスの顔面をとらえ、再び時間差で反応が現れたオルネラスは膝をつき、この試合2度目のダウンとなった。
オルネラスはレフェリーのラウル・カイズ・ジュニアによるカウントに8で応じ、第5ラウンドへと進んだ。
第3ラウンド終盤、残り1分を切ったところでオルネラスは左アッパーカットを決め、その直後に左ストレートをヒットさせ、メイソンが距離を取り直し足元をリセットする場面を作った。ただし、それ以外ではメイソンが主導権を握っていた。ラウンド開始からわずか40秒で左ストレートを打ち込み、オルネラスを後退させ、その後もボディに連打を浴びせ続けた。
第2ラウンドでもメイソンは複数の左をヒットさせ、積極的にボディを攻めた。そして残り44秒、インサイドで放った左が時間差で効き、オルネラスはこの試合最初のダウンを喫し、膝をついた。
オルネラスは大きなダメージを負っていたわけではなく、すぐに立ち上がったため、メイソンはそのダウンを生かして一気に仕留めることはできなかった。
メイソンはこの試合の第1ラウンド、冷静にオルネラスへとアプローチした。というのも、今回の2戦前昨年11月8日にバージニア州ノーフォークのスコープ・アリーナで行われた試合では、ドミニカ共和国のヨハン・バスケスに初回で2度のダウンを喫していたからだ。その激しい打ち合いの中で、メイソンもバスケスから2度ダウンを奪い、最終的には第2ラウンドKOで勝利している。
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。